悪性リンパ腫のために自宅療養するようになって1か月半が立ちました。
仕事を休み、殆ど外出出来ない生活が一月続きましたが、最近は近所の森林公園を散歩する気力が出てきました。
そこで森林浴も兼ねて、天気の良い日は、少しでもこの森林公園を歩くようにしています。
この公園は昔から好きで、よく一人で散歩をしていました。
私は子供の頃の事故の後遺症で足も悪いので、リハビリも兼ねてのウォーキングでした。
最初はリハビリだと思って歩いていたのですが、自然が豊かな公園はとても心地よく、森林公園は癒しの場所になりました。
犬の散歩や、遊びに来ている子供たちを眺めるのも楽しみでした。
ですが、40歳前になると徐々に筋力が落ち、歩けなくなってきて、階段や坂を上ることが出来なくなりました。
そして数年で、足腰のサポーターや杖が無いと歩けない程になり、楽しみだった森林公園の散歩をやめてしまいました。
病院で検査をしても、特に治療出来ることは無く、リハビリで筋トレをして筋力を付け、それで補うしかないとのこと。
かなり落ち込みましたが、
「このまま放っておいても症状は悪化するだけ。筋トレは苦手だけど、歩けないストレスを抱えるのはもっとつらい!」
と自分に言い聞かせ、苦しい筋トレに励む日々が始まりました。
そしてリハビリ生活4年目、悪性リンパ腫の診断を受けて、久しぶりに森林公園を散歩して驚きました。
歩けなくなる以前より筋力が増していて、長い登り坂や階段を難なく上ることが出来たのです。
サポーターや杖も無しに、です。
皮肉なことですが、癌になって初めて、自分の足腰が丈夫になっていることに気付きました。
きっと、神様が与えてくれたご褒美だと思いました。
冬の温かい日差しと、枯れ木に彩られた青空。
森の凛とした空気。
枯れ葉を踏む音や鳥のさえずり。
時折顔を見せる、可愛い野生動物たち。
そしてしっかりと大地を踏みしめて歩みを進めている自分の足。
また、広大な森林公園は人の手で綺麗に整備されています。
重機が入らない森の中まで、丸太で作った階段があったり、斜面の雑草の手入れがされていたり。
とても重労働で大変な作業だと思います。
こうした心遣いがとても嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
現段階では、この先どのような治療を受け、自分がどのような状態になるのか分かりません。
もしかしたら外出が困難になって、森を散歩することが出来なくなるかもしれません。
でも今は、森林公園の自然と、その環境を整えてくれている人々と、そこを歩けるようになるまで筋力を回復してくれた自分の体に感謝しながら、森の散歩を楽しみたいと思います。
2022年2月2日(水)
ちょっとした風景の中にも、感謝するものが沢山ありますよね!