価値観の相違による対立。
人間関係で必ず起こる問題です。
価値観の似た人とは上手く付き合っていけますが、そうでない人とのコミュニケーションは苦痛になることもありますね。
価値観の相違はあって当然
人は皆、違う人生を歩み、異なる環境で育ち、経験してきたことも様々です。
価値観とはそこから生まれるものです。
ものの考え方や捉え方が違う人がいて当然。
でも、どうしても賛同出来ない考え方を持つ人には否定的になりがちです。
相手のことを思うあまり、良かれと思って自分の考えを主張することがあります。
「自分はこうだから、相手もこうであって欲しい」と。
例えば、健康に気づかう生活をしている人が、不摂生をしている友人に対して、「健康的な生活をしなければならない」とアドバイスするのは悪いことではありません。
相手のことを思っての好意だからです。
ですが「私は健康的な生活を送っているから、あなたもそうするべきだ」と押し付けてしまうと、相手を否定していることになります。
否定された方は良い気持ちはしませんね。
これでは好意は通じにくいでしょう。
職場の人間関係になると、もっと問題は深刻です。
やる気の無い部下や後輩に対して、上司や先輩はどう指導したら良いでしょう。
「もっと向上心を持って、前向きに仕事に取組み、業績を上げるべきだ」
と言いたくなるでしょう。
でもそれで人間関係がこじれたら、仕事が益々やりづらくなります。
否定をしないで、まずは相手の価値観を受けとめてみましょう。
相手の価値観の背景にあるものを想像してみる
人の価値観を自分の経験で解釈し、評価をする前に、まずは相手の考え方を受け入れてみます。
そして、なぜその人がそのような価値観を持っているのか想像してみて下さい。
そしてもし出来ることなら、相手と真摯に向き合って「なぜそのような考えを持っているのか」聞いてみて下さい。
私の同僚のKさんの場合
同僚のKさんは、仕事はただ収入を得るためだけの手段で、職場に足を運んで、言われたことをやっていれば良いと考えていました。
仕事のための勉強や、進んで業務に取り組む努力はしたくない、でも安い給料では働きたくない。
このような考え方を持っていたら仕事が億劫になるので、業務に支障が出ます。
やる気がないので周囲に迷惑をかけることも多く、人にも好かれないので、人間関係も上手くいきません。
そんな日々が続き、Kさんは段々と投げやりな態度を示すようになりました。
困り果てたある日、私は友好的な態度で「何故働くことが好きではないのか」聞いてみました。
Kさんは素直に話してくれました。
自分には芸術の世界で仕事をしたいという夢があり、努力しているけどそれがなかなか叶わない。
家では、安定していて、そこそこのお給料がもらえる仕事に就くように、毎日せきたてられる。
以前の職場ではその話をすると馬鹿にされたので、今は誰にも話していないけど、夜中まで芸術関係の勉強をしている。
このようなことを語ってくれました。
私は、Kさんが仕事に対して持っている価値観の背景を知ることが出来て納得しました。
Kさんはその後、時々私に芸術関係の話をするようになりました。
たまに笑顔を見せるようになったせいか、仕事仲間とも少し距離が縮まったようにも感じました。
Kさんの仕事に対する価値観には全く賛同出来ませんでしたが、否定せず、まず受け止めてみることで、Kさんとの関係は穏やかなものになりました。
まとめ
異なる価値観は否定せず、まず受け止めてみましょう。
その背景にあるものが見えてくると、相手のことを受け入れ易くなります。
生き方は十人十色。価値観も人それぞれですね😊